「アクティブラーニングとは④」として、入試問題を取り上げるつもりでしたが、ついでなのであまり知られていない「各高校の採点基準」についてとりあげます。
各学校のトップ高・・・
静岡高校・富士高校・浜松北・沼津東・藤枝東・磐田南・清水東などの高校入試
だけでなく、他の公立高校の入試にもかかわる話ですし、あまり他では聞く機会のない話ですので、必読です。
最後に入試問題の理科からです。
その前に、予備知識としてみなさんに知っておいていただくことがあります。
それは・・・
高校入試の採点基準は、各高校によって全然違うということです。
正式に、その高校の中で統一されていれば採点基準は高校ごとの裁量に任せられることになっています。
これは、各地域のトップ高の採点基準で偏差値的に下の高校受験者の答案を採点したら、記述問題が多いですし、ほとんどの人がまったく点が取れません。
逆に、偏差値的に下の高校の採点基準でトップ高受験者の答案を採点したら、ほとんど正解で点数に差をつけられなくなってしまうからです。
これは今まであまり聞いたことのない話かもしれませんが、以上の理由により事実です。(また、現役の高校の先生にも確認もできます。何も特別に秘密にするようなことではなく、聞けばふつうに「そんなのあたりまえだよ」と答えてくれますよ。)
(※このことは実は入試対策でもっとも重要な要素だとは思いますが、あまり重要視されていないのは事実です。ですから、富士宮教材開発の過去問解説マニュアルでは、志望校をふまえた解答の添削サービスを行っております。)
それでは今回のテーマの入試問題をみてみましょう。
28年度静岡県公立高校入試、理科。生物分野からの出題です。
問題(大問2⑴②後半):この実験(だ液のはたらきを調べる実験の対照実験)の目的を答えよ。
翌日の新聞での正式な正解発表、あるいは大手の各塾がネット上に公開している解答は多少の違いはありますがどこもほとんど同じで次のようなものです。
答:・デンプンを分解したのは、だ液であることを確認するため。
・対照実験のため。
ですが、実はこの答・・・
まちがっています。
この問題には、「実験の計画書」が与えられています。
その「計画書」をもとに、実験の目的を考察しろという問題でした。
「計画書」に記された「予想」、あるいは実験の種類を考えると、
この実験では、だ液はデンプンを糖に変えるはたらきがあるということはすでに前提としてあり、デンプンを糖に変えるというのは大きい分子を小さな分子に変えることなのではないか?ということを確かめる実験です。
誤解がないように補足しておかなければいけません。
先ほどの模範解答を書いた大手塾の先生方を批判するつもりはありません。
まったく矛盾した話に聞こえるかもしれませんが、先ほどの解答例のような解答でも正解です。(正解というよりも、×にはできないように問題が工夫してつくられているといった方が正確でしょう。)
少なくても普通の高校の採点基準では、配点分の点がもらえます。
これは静岡県の各学区のトップ高・・・
静岡高校・富士高校・浜松北・清水東・沼津東・藤枝東・掛川西・磐田南・韮山高の高校入試で・・・
受験生の得点に差をつけるための問題なのでしょう。
特に各高校の理数科では、こういう問題ができたかどうかが大きな判断基準にされることもあるでしょう。
考えてみれば、入試問題にこういう秘密があったとしても不思議ではないですね。
静岡県の 学調テスト・公立高校入試の対策教材はこちらで紹介しております。
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