「発表の機会を増やす」「討論の場をつくる」
そのようなイメージばかりが先行している「アクティブラーニング」。その本質に迫るブログです。
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アクティブラーニングの正体とは?③
今回は天気についての問題です。
静岡県 28年度3学年第2回学調理科 より
問題:気象衛星から撮影された雲のようすの4つの写真の中から、その日(ある冬の1日です。天気図も与えられています。)のものを選びなさい。
かなりの難問でした。
というのも、ふつうこの種の問題では天気図を頼りに、
前線にそって雲がみられる あるいは 台風が確認できる
など、わかりやすいものが出題されるのが常でした。
しかし、この問題の雲の様子の写真には、前線ぞいに雲はみられませんし、
低気圧の中心付近にも雲はみられません。
いったい何を手がかりに解けばよいかというと・・・
「すじ状の雲」 です。
冬の最も寒い時期に、天気予報でよく聞く言葉です。
教科書にも太字にはなっていませんが、のっています。
私自身、正直ここが出題されるとは予想しておりませんでした。
しかし、確かにゆとり教育が終わってからの教科書では、
「すじ状の雲をつくる実験」などが登場していました。
実際問題として、冬の日本列島を寒くしているものの中でかなり強い影響力を持つものがこの「すじ状の雲」です。
従来の出題パターンにとらわれず、現実生活で影響の大きいものを積極的に出題する。
そういうアクティブラーニングの側面が、色濃く出た問題でした。
なおこの問題を解答するにあたり、もう一つ重要になるのが、問題にも解説にもどこにも書かれていませんが、
「季節風(モンスーン)」の存在です。
冬には北西(大陸側)から南東(太陽側)に、季節風が吹くことは超重要事項です。
冬に北から吹いてくるので当然冷たい風です。
日本の気候にも大きな影響を与えています。
先ほどの「すじ状の雲」も、冬の季節風にそってできます。
ですからこの問題のポイントも・・・
「すじ状の雲」ではなく「季節風」といってもよかったでしょう。
どんなに文明が進んでも、私たちの生活は「季節風」のような大きな自然の力に影響を受けていますし、これからもそれは変わりません。農業など私たちの食生活に直接かかわりますし、産業も気候の影響を受けます。
ですからどんなに時代が変わっても、「季節風」は頻出問題です。
なお、この問題では出題者側も今の段階ではこのままでは難しいと考えたのでしょう、他の3つの選択肢の写真は、天気図とつながりにくく消しやすくなっています。
そういう調整は必ずされます。
(もっともテレビの天気予報をよくみる人にとっては、正解の写真はみただけで寒そうと感じる写真なのですが…日ごろから、そういうことまで気を配った方がいいということかもしれません。)
続きは、7月7日(金)に掲載します。お楽しみに。
(もったいぶっているわけでなく、じっくり慎重に執筆中です。)
次回は、入試問題「消化」の問題で出題傾向の変化をみていきます。
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