今、教育の場でアクティブラーニングという言葉をよく耳にします。
「発表の機会を増やす」「討論の場をつくる」
そのようなイメージばかりが先行していますね。
もちろんこれが一つの側面であることはまちがいありませんが、これはあくまで一つの側面にすぎません。
アクティブラーニングの正体とは?①
アクティブラーニングの本質は、より現実にそくした勉強をしようということです。
それは、学調(静岡県)、入試などの問題にも反映されています。
それが「新傾向」「新学力観」とよばれる問題です。
記述問題のように大きい問題だけでなく、語句問題などでも、昔では出題されなかったようなことが出題されるようになってきました。
理科が特に顕著(けんちょ)です。
それはそうですよね。現代の科学の進歩のスピードはすごいものです。
具体的に言うと経験豊かな理科の先生が、この問題はよく出るぞ、という問題があまり出ないようになり、こんなところまでは出ないだろう、という問題が出題されるようになってきています。(他の教科も、その傾向はあります。)
今回から数回に分け、実際に学調(静岡県で全中学生が受ける大きなテストのことです。どの県にも同じようなものはありますし、これからする話は全国規模で共通する話です)、公立高校入試で出題された問題をみながら、この問題について考えていきます。
なぜ出題されるようになったのかだけでなく、なぜ今まであまり出題されなかったのかにもふれていきます。
それによってアクティブラーニングの本質がみえてきます。
「平成27年度 静岡県 第1学年学力調査テスト 理科」 より引用
問題:身近で使われているプラスティックの種類(プラスチック名)を1つ書きなさい。
答え:(例)PET(ポリエチレンテレフタラート)/PE(ポリエチレン)/PP(ポリプロピレン)、などのうちから1つ(略称でも名前でも正答)
定期テストのような細かいテストならともかく、県規模で1年に1回の大きなテストでここが出題されたのには、少しびっくりされた理科の先生方も多いはずです。
なぜ今まであまり出題されなかったか、という理由からみていきます。
これは、はっきりしています。
一般的には(本当はそうでもないのですが)、中学理科は高校理科の基礎固めのようなものととらえられています。
高校の化学の学習順序は、「ゆとり教育」のときに多少の混乱はありましたが、
①まず、物質の構造や状態などについての「理論化学」を学習し、
それから、具体的な物質について考えていきます。(身の回りにある物質がどのようにできているかを考えるのが化学です。)
具体的な物質についてみていくのですが、その順番は・・・
②無機物
③有機物
④高分子化合物(主として人工の高分子化合物で「合成樹脂」などと総称されます。有機物をベースに合成されるので、③→④の学習順序になるのは順当です。)
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