前回は、「3の倍数と3の倍数の和が、3の倍数になることをどのように説明したらよいか?」というところまで話が進みました。
すべての3の倍数を表せないことにははじまらない、というところまで納得していただいたと思います。
前回までの説明で、わかるようになった方も多いと思います。
中2 数学 文字式による説明③
今回で、話は一区切りです。
「3の倍数は3×(整数)」の形で表されます。
nを整数として「3×n(×は省略して3n)」と表されますね。
この問題でもっとも大切なことは和が3の倍数になることではなく、すべての3の倍数をいかに表すか、ということです。
そうしなければ、「3の倍数と3の倍数の和が3の倍数である」ことなんて説明しようがありませんよね。
この問題では3の倍数が2つ必要です。
2つの3の倍数は、3の倍数ということ以外はお互いまったく関係ない数です。
ですから別の文字を使う必要があります。
「mを整数として3×m(×は省略して3m)」と表しましょう。
これで2つの3の倍数を、m、nを整数として3m、3nと表すことができました。
m、nは整数という条件だけ持っています。
よって、これだけですべての3の倍数を表していることになります。
問題は、2つの3の倍数の和は3の倍数になることを説明することでした。
「3×(整数)」の形になれば3の倍数ということができます。
和(たした結果)が、どうかと聞かれているので3mと3nをたしてみましょう。
「3m+3n」となりますよね。
これですべての3の倍数どうしの和が表されています。
mとnが同じ整数で、同じ3の倍数どうしの和もふくまれます。
これが3の倍数であることを説明するのが目標です。「3×(整数)」の形になればよかったですよね。3を前にくくりだしましょう
「3m+3n=3(m+n)」
mとnはそれぞれ整数でした。
整数どうしをたすと整数です。
1年生数学の四則の計算の最後に、そのような単元がありましたよね。
m+nは整数なので、3(m+n)は3×(整数)の形になっています。
したがって3(m+n)は、3の倍数であるといえます。
3m+3nで、すべての3の倍数どうしの和が表されていましたよね。
これで、「3の倍数と3の倍数の和は、3の倍数である」ということの説明になります。
力の入れどころとしては、「3の倍数であることの説明」よりも、
「3の倍数と3の倍数の和」をいかに一般化することにあるでしょう。
「3×(整数)」は、確かに3の倍数を表しています。
それより大切なのは、
すべての3の倍数を表すためには「3×(整数)」と表せばよい。
こちらをスタートに考え始めるべきですね。
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