先日のブログ「『筆算はていねい、暗算は雑』なんてこと絶対にありません」はかたすぎてよくわからないという意見を多数いただきました。
そこで、もう少しわかりやすいところでと考え「『行』を増やして『筆算』を減らす」という記事を投稿しましたが、もう一つ言いたいことを伝えられているか不安です。
弊社教材、暗算指導マニュアルから抜粋します
暗算はこんなにも大切です。
以下の内容は、弊社教材
「『暗算教材ゼロ』解説指導マニュアル」からの抜粋です。
親御さんが、お子さんの勉強をみてあげるようにつくられた教材です。
母体となる「井出進学塾」では、先生たちがこれのもとになる原稿をみながらマンツーマン指導をしています。(授業の最初の5分程度で、準備体操がわりに暗算練習にとりくんでいます。
ここらへんから、お子さんの数の量的理解を固めていきます。
①108+9
「必ず上の位から書く」というのが絶対的なルールでしたよね。
上の位から書きさえすればいいということです。
108の百の位の1はそのままでしょうね。
ですから先に百の位に「1」と書いてしまいましょう。
そのあと8+9より「17」と続け「117」とします。
たったこれだけのことですが、筆算でやっているように下から順に「7」「1」「1」と書いていくのと大きく違います。
108が100と8からできているということ、それに9をたすとどのようになるかということ、これらをよりリアリティーを持って消化できることになります。
大人からみるとどうでもいいことに感じるかもしれませんが、筆算ばかりに頼っているお子さんにとってこの経験は、はかり知れない良い影響があります。
②131+4
くり上がりもないので大丈夫です。
「13」と百と十の位を書いてから1+4から「5」と一の位をかき「135」と答えにしましょう。
そうなんです。131に4をたしたら135になるに決まっています。
こういう計算でも、「筆算しなくちゃ、ていねいにやらないと注意されちゃう」と思っているお子さんはけっこう多いですよ。
③78+9
くり上がりがあります。
くり上がる(80をこえる)のでまず十の位に「8」と書き、一の位は8+9=17より「7」をとって一の位をかき「87」としてもいいといえばいいです。(「上の位から書きさえすればいい」という方針でもう10年以上このゼロを提供し、多くの成果を収めています。この方針がぶれることはありません。)
でもこれだと少しもったいないですね。
せっかくですので、もっと理解を深めたいところです。
こういう計算は筆算でやるものだと考えているまじめなお子さんならむしろチャンスです。
次のように導いてください。
以下「 」で親御さんのはたらきかけ、( )で予想されるお子さんの返答を示します。
「78は、あといくつで80になる?」(2)
「そうだね。じゃあ、9からまず2だけ78にあげて80にしましょう。
9は2あげちゃったんでいくつ残ってる?」(7)
「そう。じゃあ後は80にそれをたせばいいよね。」(87)
このように、お子さんの言っていることがあっている場合にはちゃんとあっていることを伝えてから次の質問をするようにしましょう。
なお、④22+6 と、くり上がりがないものもここに一つだけ置いてあります。
よい練習になりますよ。
以上、本当に教材の中のごく一部です。
どうでしょうか?
ただ「暗算しろ」というのではなく、教える側がここまで準備して暗算練習にとりくんでもらったら、それはものすごい効果があるに決まってますよね。
以上です。
ご意見・ご感想お待ちしています。
富士宮教材開発
井出真歩
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