本来、他のところの指導法にあれこれ言うべきものではないのですが・・・
もれ聞くところで、どうしても耳につくことがあります。
「むずかしく考えすぎちゃう子が多い。むずかしく考えなければいい。」と言う先生たちです。
そんなことあるわけないですよね。
富士宮教材開発の母体である井出進学塾のスタッフ(個別指導の先生)の服務規定には、はっきり書いてあります。
「むずかしく考えないように」は禁句です。
今回は、この件に関してお話しさせてもらうことで、富士宮教材開発の教材がどのように考えてつくられているのかを伝えられたらと思います。
「むずかしく考えないように」だけでなく「それは覚えるしかない」も禁句です
もう15年ほどの前の話です。
当時、私は働きながら夜は隣の市の個別指導塾でこっそりバイトしていました。
そこの先生たちの指導はひどいものでした。
個別指導の塾でありながら生徒が質問をすると、キレます
彼ら、彼女らの口ぐせはこうでした・・・
「むずかしく考えるな。それは覚えるしかない。」
(もちろん、こんな塾はとっくにつぶれています。)
生徒さんがどのようにわからないのか分析する能力がなかったり、説明する能力がないとそう言うしかないのでしょう。
もともとその先生自体がなにも理解しておらず、覚えてごまかしているからだといえます。
この塾自体はもうありませんが、当塾に相談に来られる方々の話を聞きますと、やはり自分の能力を棚に上げて「生徒がむずかしく考えすぎるから悪い。」と、考える塾や家庭教師の先生が多いようです。
これは仕方のないことなのですが、民間のボランティアの学習支援団体の活動でもお子さんたちの勉強をみる際に「むずかしく考えないように。」という言葉が飛びかうそうです。
(ボランティアの先生だから仕方ありませんし、ほっといてもそういうレベルの塾や家庭教師の先生はたくさんいるので、これについてとやかく言うつもりはありません。)
「むずかしく考えないように」が、いかにばかげたことを言っているか?
納得していただくために極端な一例をあげましょう。
私も高校生の物理の指導でドップラー効果の問題に取り組んでいるとき、生徒がなかなかわからないと、つい、
「ドップラー効果なんて、音源が動くときには媒質、観測者が動くときには相対速度が変化することさえ覚えておけば何とかなる。むずかしく考えるから悪いんだ。」
と言ってしまいたくなることがよくあります。
でももし、こんなこと言う人がいたら変ですよね。
言いたくなるのは私の能力の問題で、「波」の分野は物理でも特にやっかいなところで自分自身の理解度もギリギリなので、生徒さんがどういうところで理解できないでどういう説明を加えたら理解が進むのか判断するのに時間がかかるということです。よく言われる、教えるためにはその10倍の内容を知っていないといけない、ということです。
「むずかしく考えないように」というのは、こういうことです。
当塾では「むずかしく考えないように」は禁句中の禁句です。
富士宮教材開発の教材も、同じ考えにもとづいてつくられています。
「それは覚えるしかない。」「むずかしく考えないように。」
・・・なんて姿勢はありません。
真摯に、生徒さんたちがどのように理解できないのか?どうすれば理解できるのか?
こういう問題に向き合ってつくられています。
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