みはじに関する見解 その1-2
集団授業の形で指導を行っている塾の、指導法の問題点なども指摘しています。
お子さんの勉強法を考える、参考にしてください。
前回の内容から続きます。
☆ここでお気づきでしょうか?
「みはじ」を使った解き方でも、結局、単位の換算ができなければ正解できませんよね。
だったら、最初から「単位の意味を考えながら解く」方法で解く方がよっぽど効率がいいです。
しかも、「みはじ」の順番を覚えられなかったり、あてはめ方がわからないという生徒さんにはどうでしょう。それこそ単位の意味をしっかりとらえられるように努力すべきではないでしょうか。なかなか速さの問題を理解できない子に対して多くの指導の場で言われているように「難しく考えるな(お前みたいに頭が悪い奴は考えるな)、それは覚えるしかないからあてはめ方まで覚えろ(どうせお前には理解できないんだから言われたことだけしてろ)」と言ってしまうのは、かなり非人間的だと思います。
さらに、私が最も問題だと思うのは、「みはじ」を使うことで前述の②「単位の意味を考えながら解く」を自力でできるようになる生徒の、自力でできるようになる可能性をつぶしてしまうということです。これこそ悲劇です。
また大手の計算教室の教材などをみますと、1ページまるまる、例えば「道のり÷速さ」で「時間」を求める問題ばかり。生徒さんたちは最初に「文の中から道のりと速さをみつけ道のりを速さで割る」、という説明を受けてあとは一人でプリントを解いていきます。
そんなの意味あるわけありません。
生徒さんたちは要領よく、文の中から道のりと速さを表す数字を見つけ出し、機械的に処理していくだけです。
もともと、こういうところで使われている教材は、1人の先生で多数の生徒さんを回せることを主眼に設計されたものです。ですから、それほどよいものであるはずがありません。
もちろん、すべての生徒さんがすぐに単位の意味を理解しそれを使って問題を解けるようになる、なんて考えてはいません。
しかし、その方向に進むよう全力でサポートすることが大切です。
補足
なんて、もってのほかです。
当塾に小学生の時から通って下さっている生徒さんが、「くもわ」なんてものがあるんだよという話を聞くと、「割合なんて簡単なのに、なんでそんな難しいことしてるの?」って言って笑います。
どうやら単なるジョークと受け取るようです。
「くもわ」などは、中学受験専門塾が使う指導法です。
こういうところでは複数の生徒をベルトコンベア式にさばいて、その中で何人か合格者が出ればよいのです(もちろん合格者数を上げることを目指しているでしょうが、合格者数=生徒数×合格率、合格率だけでなく生徒数を増やすのにも「くもわ」などのスキルを使うのは効果的でしょうが、あくまで確率論で個々のお子さんのためになるとは思いません)。そのお子さんはそのお子さん一人だけです。
ですからそういうところが使っている方法(「くもわ」だけではないです。私から見てひどいなと思う解答法ばかりです)をまねするのがいいことだとは思えません。
「みはじ」や「くもわ」を使わなければ教えられないというのは、たんに指導力不足の問題です。最も集団授業では、仕方がないでしょうが。
最後に中学受験専門塾の批判をしていますが、少し弁解させてください。
(本当は、こういう批判自体、するのはよくないことですが…)
都会の一流私立中学を対象とした中学受験専門塾の指導法は、すばらしいものだと私のところにももれ伝わってきますし、何の問題もありません。
問題があるのは、地方の小規模な中学受験専門塾です。
もちろん、すべてとは言いません。
しかし、私のところに寄せられる相談などをみますと、やはり問題のある指導法をしているところの割合が大きいと言わざるを得ません。
私どもが問題視しているのは、次のようなことです。
中学受験に成功すれば周りも似たような指導を受けた人たちが集まっているから、それほど大きな問題にはなりません。(もっとも、一流国公立大学を一般入試で合格するのは難しいでしょうが…)
問題なのは、中学受験に失敗してしまった場合です。
中学に入って巻き返そうと思っても、変な考え方のくせやこだわりが身に付いてしまって、正常な学問的成長が難しいという事例をたくさん見てきましたし、これからも増えていくだろうと予想できます。
この問題も、富士宮教材開発として何かお役に立てることはないかと考えているところであります。
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